こどもたちに薬を飲んでもらうために
分かりやすい説明や、処方の工夫を心がけています
以前勤めていた病院で、小児科を経験した時に、仕事内容に奥深さを感じました。もっとしっかり取り組みたいと思ったため、こども病院に転職を決めました。現在は病棟とセントラルの業務を両方行っています。一日のうち、病棟で過ごす時間が大半なので、こどもたちと接する時間が多くあります。
こどもたちは薬が苦手な場合が多く、ひとりひとりに合わせて飲み方を変えています。錠剤をつぶしたり、カプセルをはずしたり、どんなものに混ぜて飲むのか提案をしたりと、大人よりも薬を飲んでもらうための工夫が必要です。
この先、長く薬と付き合っていくこどもたちには、自分で納得して薬を飲んでもらえるように、分かりやすい説明をすることが大事だと思っています。
そこで、一般的な薬の説明では難しすぎるので、こどもたちにも分かるようなパンフレット資料に、こちらで作り変えています。例えば、酵素分解を止める薬を説明する場合、酵素をハサミで表現して、そのハサミを動かしにくくする薬である、ということをイラストで表します。こどもたちの理解度に合わせた情報にするために、イラストを多く使ったり、カラフルにしたりと工夫をしています。作るのは大変ですが「分かったよ」「飲んだよ」「何色の薬があったね」などと興味を持って返してもらえると、とても嬉しく思います。
こどもたちが退院して家に戻る時には、こどもたちが家での生活で、薬について困らないようにサポートをすることも、薬剤師にとっての重要な仕事です。外部の薬局さんと連絡をとって、切れ目のない服薬支援を行えるよう心がけています。
退院したこどもたちを、外来で見かけるたびに成長を感じられることは、こども病院ならではのやりがいだと思います。成長した姿を見ると、とても微笑ましい気持ちになります。
こども病院は、職種を超えてコミュニケ―ションを取りやすい雰囲気があり、病棟ではみんなでこどもたちを支えています。
薬剤部もとても仲が良いです。誰かが不在でも、互いに仕事をフォローし合える体制になっているので、休日取得もしやすいです。また、資格をもっている方も多くて刺激になります。私も現在、小児薬物療法認定薬剤師の更新を控えているので、向上心を持ちながら日々を過ごしています。